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ついにトリスタ日記すら作ってしまった 馬鹿タヌの物語。
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タヌ×タヌです。

苦手な人はブラウザバック、つってもお気に入りで入ってくる人が圧倒的多数な

このブログ、あんまりいないかもね。






会えたのは、都梳の紹介。

初めて見た瞬間に、思わず呟いた。

普段はきちんと感情で整理して言葉を放つのに、それを簡単に忘れた。

「___可愛い」

その真紅の髪に不思議な瞳に、そこには自然と呟かせる力があった。

頭一つ近く小さなそのラクーンは、可愛かった。

もっとも、それが問題だったのだけれど。

ともかく、その小さなラクーンは、それほど可愛らしかったのだ。



弱った。というのが一番適切な表現だろうか。つかさは弱っていた。

その短身痩躯、と呼ぶにすら幼い外見を持った彼にとっては。

思わず呟いたその一言は禁句だったらしい。

「つかさきあい!」と叫んで向こうに行ってしまった。

そうはいっても見える範囲。綺麗な砂浜のデザート入り口の、本当に近い距離で。

探るようにこちらを見ていた。

悪いことをしてしまったな。つかさは反省した。

確かにつかさ自身も可愛いという単語は余り好きではない。

彼自身も短身痩躯、あまり格好いいなどと呼ばれるような顔立ちもしていない。

むしろ性別すら間違われることもあるくらいだ。

その自分よりも遥かに小さく、愛らしい顔立ちをしているのだからそう言われ続けているだろう。

 






そんなことを叫んでいるが、舌っ足らずなその言葉はより小さなラクーン、リコの

愛らしさを増長させる。

怒った顔すらも可愛いのだから真性だ。

そう思ったことにはおくびも出さずにつかさはこういった。

「ごめんね。仲良くなりたかったんだ」

そう一言。そして、もう一度言葉を紡ぐ。

「・・・だめ、かな?」

ほんの少しだけ、哀しげにそう呟くと、リコはこちらを真っ直ぐに見てくれた。

不思議な色合いのオッドアイがこちらの瞳とぶつかる。

まるで、探るかのように。

瞬きを三度。人が幾人か通り過ぎた。

しばらくするとリコはごそごそとポケットを探り、押しつけるようにしてリンゴ飴を手に出すと

向こうに行ってしまった。

なんとか許してもらえたらしい。

友好の証にもらった飴。

一口舐める。甘い。口に放りこんで甘さをかみしめる。


もらったからには何か返さないとな。

つかさが思い浮かんだものは桜餅だった。

「じゃあ、私もあげるね」

リコに追いついて、そう言って桜餅を差し出すと素直に受け取ってくれた。

僅かに小首を傾げて、にこりと笑って。行動がいちいち愛らしい。

リコは葉も意に返さずぱくりと食べると一言呟いた。






「じゃあ葉を剥こうね」

そう言ってつかさが桜餅を手に取り剥き終わると、間髪入れずにリコはそれを

口に含んだ。

まだ、つかさの手に桜餅が残ったままだというのに。

そのまま機嫌良く食べ続けるのを見ると、どうでもよくなる。

僅かに微笑んでつかさが一瞬目を離したとき。

湿った感覚が指から背中まで電気のように走った。

指ごと口に含んだのだ。

「んっ・・・」

つかさは思わずうめいた。

いや、声に出てしまった。

それを無かったことにして、心を一瞬で制御する。

「___美味しい?」

「あまいよ」

「・・・そっか」

どうやら喜んで貰ったらしい。リコの素直な感想。口に指まで含んだことは

彼にとっては大したことはないらしい。

何もなかったことにして、つかさは既に一人遊びを始めているリコの方を向き直した。

リコの方を見ていると、向こうもこちらを見直して。

「あのね、大好きな人に手伝って貰ったの」

「うん」

「でもね、おれの好きな人にはね、もう一番が居るの」

「・・・そっか」

「むねがいたいけど、そのひとがしあわせなら。おれこのままでいいかなーって」

そう言ったリコの言葉と瞳は澄み切っていて、こちらの方が痛んだ。

「その気持ちは、とても良いことだよ」

「いいこと?」

無邪気に聞き返してくる。それが。まるで当然だからと言わんばかりに。

思いつきもしなかったかのように。

「そのひとを嫌わずにいるって気持ちが、とても良いことなんだよ」

その瞳が、自分の汚さを映しているかのようだ。自分の、見せかけの腐った心を。

美味く笑えた自信はない。けれど、薄く笑いながら。目を細めて

「・・・私は、ダメだったから」

そう言った。

ほんの少しの間があった。わずかに考えたのか、リコはにこっと笑って

「あげゆ」

そういって愛の調味料を渡してくれた。そして、リコはこちらの髪を撫でる。

自分はそこまでひどい顔をしていたのだろうか。

「・・・ありがとう」

唇を噛んでそう呟いた。リコの耳に届いたかは分からない。

聞こえたのかどうか。

何か興味をそそるものを見つけたのか

リコはそのままテント見てくる、と言ってどこかに走り去っていった。

そのときだけ、リコの深い部分を感じた。

小さな子のように見ていた、自分をつかさは恥じた。

純粋さが、羨ましかった。ただただ、羨ましく思った。

はぁ、とため息一つ。


そして、あらぬ方向を向いてこういった。







隠れていた、腐った乙女4人の口笛の音が聞こえた。   <了>





2000ヒット記念としてはあんまりだな。。へさいです。

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